日本料理・和食は四季は柚子と山椒といった食材で表現出来る

料理研究家・土井善晴からの出題。

世界無形文化遺産にも登録された和食。そこには日本人が古くから大切にした様々な気持ちが込められており、おせち料理の一品一品にも縁起の良いいわれがある。

例えば、ふっくらとした黒豆は「マメに暮らせる様に」「誠実に真面目に一生懸命働ける様に」。そして白いごぼうに込められたのは「長寿」「細く長く清らかに」。

尾頭付きの小魚たつくりに込められた「五穀豊穣」。実はたつくりを漢字にすると「田作り」。このイワシを昔は田んぼの肥料にしていたという時代があり、この名前が付いた。

おせち料理にあしらわれる葉は常緑樹と決められている。常に緑。常に枯れない葉、つまり「永遠の若さ」を願うわけだが、ユズリハにはもう1つ別の願いが込められている。それは「子孫繁栄」。実はユズリハは春に新しい葉が出ると、前年の葉が譲るように落ちる。その様子を親と子に見立て、「家」が代々引き継がれる様にという願いが込められている。

日本料理と言えば特徴として季節感を大事にしているが、日本料理の四季は極論、たった2つの食材で表現出来る。

その2つの食材は日本食の象徴と言われる椀物。そのお椀のフタをしめる前に最後に添えるものである。

椀物とは魚や肉、野菜などを取り合わせて澄んだおつゆに仕立てたる料理だが、古くから和食の華とされる料理である。というのもおつゆを食べて、出汁と香りを感じながら、季節を感じて「あぁ美味しい」というのが日本の褒め言葉になる。出汁と季節の食材の香りを感じるのが和食の真髄であり、その真髄が椀物にある。

そこに最後に添えられる季節を感じる食材の1つ目は柚子。黄色く熟れた柚子。それは秋から冬にかけて椀物に使用され、3月の雛祭りで使い納めとされる。

もう1つは山椒。確かに山椒の葉がのったお椀物もあり、3月になると春を象徴する山椒の葉が、その後は山椒の実が添えられ、そして5月になると、今度は青々とした柚子が再び添えられる。その後、黄色に変わりゆく柚子を見ながら日本人は季節感を感じるのである。

という事で柚子と山椒の2種類で1年回るのである。

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